音Logue第1回目講座を開催しました。
初回のテーマはJBGらしく?ポップログへの扉。
ポピュラー・ミュージックの見聞を深めていく時に、私が意識していることや、私自身が学生時代に教わったことなどを紹介しました。
まずはEd Sheeran(エド・シーラン)。ウェンブリー・スタジアムでのソロ・ライブのDVDからスタート。
8万7千人がエドと一緒にひとつの曲を歌う様子を観て、ポップスって何だろう?とみんなで考えました。
私たちが作る次の曲も、こんな風になる可能性があるんだって考えながら。
エドのライブを観ながら、音楽はひとたび演奏されたなら、それは聴く人たちのものになるんだって。
「ポピュラー音楽」とは、音楽学的に定義すると、言語や国境を超えて、マスメディアによって広く伝播する音楽。
聴く人のリテラシーを要求しない音楽です。
さらに私は、「その時代のクリエイティブの集大成」と考えています。
過去の作品を超えたいというミュージシャンの気持ちと、その時代のリスナーの気持ちの掛け算です。
ただ単に「ポップスをやってます」というだけじゃ、本当のポップスにならないんです。
作り手だけの主張では、成立しない。
ポップスの難しいところであり、また楽しくて、チャレンジしどころです。
後半はスウェディッシュポップの魁となったMeja(メイヤ)の「How crazy are you」を聴きました。
いま世界で最も優秀なヒットメーカー達の出身国である、スウェーデン。
メイヤの遺伝子を受け継ぐシンガーソングライターといえば、いま世界中に居過ぎて(もちろん日本も含めてね)、数え切れませんね。
その原点のサウンドが、1990年代のメイヤにあります。
そしてWhitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)の「I have Nothing」。
日本にいるとついつい、いつまでも《アジアの音楽シーンの中心》は日本だと思いがちですが、本当にそうでしょうか。
1990年代以降、フィリピンや韓国の女性シンガー達は競って、世界的ディーヴァ〜歌姫のヒット曲を真似て練習しています。
ホイットニー・ヒューストンをはじめ、Mariah Carey(マライア・キャリー)、Celine Dion(セリーヌ・ディオン)、Beyonce(ビヨンセ)……。
そして今時の少年少女なら、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)、ONE DIRECTION(ワン・ダイレクション)、John Legend(ジョン・レジェンド)、John Mayer(ジョン・メイヤー)、Ed Sheeran(エド・シーラン)、Adele(アデル)、Sam Smith(サム・スミス)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)、Katy Perry(ケイティ・ペリー)でしょうか。
間違いなく毎日歌い、踊り、明日のスターを目指してトレーニングしています。
彼らが狙うのは、世界です。世界のトップスターなのです。
そして聴いているのは、世界ヒット。作っているのは……誰でしょう?
冒頭の言葉、「The more you love, the better you express」はLA Music Academy(現在のLACM)の講義で頂いたものです。
いろんな音楽や作品をたくさん聴く。知って、感じて、歌い、演奏して、覚える。そして表現する。
人は経験から新しいものを作ります。
いっぱいいい音楽を聴いて、感動して、自分自身の中で熟成する。
そのことが、やがて人の心を動かす音楽を生み出す力になります。
クラスに足を運んで頂いたみなさんが、新しい音楽を知る機会に。
音Logueがそういう時間になればいいなと思います。
basskie